海外在住の外国人を日本で雇用する際に必要なToDoリスト =来日前編=

外国人を採用して実際に来日してもらう場合、ビザ取得以外にも様々な手続きが必要になります。
言われれば「なるほど」と思いますが、実際に手を動かしてみると、様々な視点が抜け落ちがちです。
今回は初めて外国人雇用を検討している方に向けて、具体的にどのような手続きが必要になるかまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。

①内定通知、雇用契約書の取り交わし

ビザを取得した後に雇用契約書や内定通知書等の作成を検討されている方が多いですが、実際には逆です。
在留資格の申請時にも提出が要求される可能性があるため、内定が決まり次第、先に作成しておくことをおすすめします。

ただ一方で、残念ながら在留資格やビザの申請が通らないこともよくあります。
そのため、書類の記載事項は申請が通った場合のみ有効である旨も盛り込んでおいた方が良いでしょう。
契約書の記述内容については、雇用の専門家である社労士に聞くことをおすすめします。

②在留資格認定証明書(CoE)の取得

海外旅行でビザを取得される方は多いと思いますが、在留資格認定証明書については「聞いたことないな」という方も多いと思います。一体何でしょうか?

=在留資格認定証明書(CoE)とは=
・外国人がどんなステータス(身分)で滞在しているのかを証明するための書類です。一方でビザとは、日本での滞在資格があること自体を証明するものです。
たとえば、あなたが某有名外国企業のオフィスに出社したいとします。そのためには、「従業員」という身分を手に入れたうえで、IDカードを発行してもらう必要がありますよね。従業員という身分=CoE、IDカード=ビザ、と考えてもらえればわかりやすいかなと思います。

CoE発行後3か月以内に日本に上陸する必要があるため、渡航予定日の3か月前になったら申請するのが理想です。発行には通常1ヶ月弱かかりますが、それ以上になることもあるので、長期戦の心構えでいてください。
また、渡航する本人だけでなく、企業側で用意する書類も多くあります。そのため、内定が決まった時点から早め早めに動くことをおすすめします。(もちろん、テンウェイズにご相談いただくのもOKです。)

③航空券の手配

状況によりますが、基本的には、CoEが発行されて来日が確定した時点で手配することをおすすめします。
航空機の便名や到着日等の情報はビザ申請で必要になることがありますので、控えておいてください。
逆にまだ決まっていないのにビザ申請時に提出を求められた場合は、素直にわかる範囲(どの航空会社を予定しているか等)で回答をするか、航空会社に「予約確認書」を発行してもらうことでも対応可能です。

④海外旅行保険の手配(任意)

日本に90日間以上長期滞在する場合は、健康保険(国保や会社の健保等)への加入が義務付けられます。
そのため、医療保険だけあればいいということであれば基本的には不要です。
渡航時のトラブルや、滞在中の損害賠償に備えたい場合は入ってもいいかもしれません。

⑤宿舎の手配

社宅等がない場合、日本人の雇用と同様、賃貸を契約してもらうことを検討される方は多いかもしれません。
しかし、着いて早々インターネットや光熱費の契約をすることになるため、本人と企業双方にとって負担が大きくなります。
また、外国人okの賃貸自体も少なく、宿舎探しに難航する可能性があるため、まずは事前にマンスリーで1-2ヶ月程契約しておき、その間に賃貸を探すことをおすすめします。
また、余談ですが、来日初日にトイレットペーパーは絶対に確保しておいた方が良いです(なくて大変な目にあった方がいました)。

⑥VISA申請@外国人本人の国の在外日本領事館

②でも申し上げた通り、在留資格認定証明書(CoE)がないとビザは発行されませんので、②が完了してから申請してください。
基本1週間程度で発行されますが、2週間以上かかる場合もあれば1日で終わる場合もあり、かなりケースバイケースです。
在留資格によって、必要な書類は異なります。また、出身国によっても異なるため、企業と外国人とで密に連携して、必要書類を確定させることが重要です。(テンウェイズにご相談でももちろんokです)

●ビザ申請に必要な書類(外務省HP)
https://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/visa/chouki/index.html

⑦印鑑の手配

銀行口座を開設する場合は必要になるので、予め企業側で申し込んでおくと良いです。アルファベットを印字するのは難しいと思いますので、カタカナ読みでokです。

⑧渡航日当日に関する案内

宿舎や職場へのアクセス、空港からの乗り継ぎ等の案内をします。
とはいえ、もし可能であれば空港か駅まで迎えに行くことをおすすめします。
他、領収書を保管しておく等、会社のローカルルールがあれば、そのことも案内します。

=プリペイドSIMカードは買った方が良いか?=
空港等で、数千円程度のデータSIMカードが販売されており、「買った方が良いか?」と尋ねられることがあります。
あくまで東京の場合ですが、駅やカフェなどにFreeWifiが多数設置されているので、私個人の経験上、買わない人が多いです。ただ、地方にはない可能性もあるので、心配であれば買ってもokだと思います。

次回は、来日後に必要になる手続についてまとめたいと思います。